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銅版画 

SAKIE OGURA
小倉​

ひとりになった部屋で時計が時を刻む音を聞く

壁を這う小さな蜘蛛に名前をつける

ヒヤシンスの根が出るのを心待ちにする

いつの間にか薄暗くなった部屋に雨音が響く

鳥籠の鳥がうるさく何かを訴える

しおれた花をいつまでも放っておく

足元の犬が寝息を立てる

傾いた太陽が部屋の隅を照らす

椅子にかけられたカーディガンがその主の帰りを待つ

 

道連れのような孤独にも

無力に感じる一瞬にも

​そっと背中を押してくれる何かがあるに違いないと思う

 

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